ネパールは山岳地帯で素朴な人柄の方も多く、よく親切にしてもらった。
顔も日本人と似ている。これが中国、韓国とは違い日本人に似ているのである。
そしてあんまり激しくなく柔らかい感じも多分似ている。
そんなネパールのポカラは、カトマンズに次ぐ街なのだがまさかの詐欺に遭いかけた。
それについて書く。
ネパールは世界でも最貧国の類に入るほど、経済的には豊かでない。
しかしインドの様な混沌とした激しさは無く、治安もそんなに悪くない。
日本人からすると、アジア各国、中韓、台湾、東南アジアといった所は少なからず共通の似たような部分を簡単に見つけられる。
ネパールはそれとはちょっと違った。顔がほとんど同じ様な形のアジア人が住みながら、全く異なった景色で生活している、誠に異国情緒のある異世界である。
ネパールは、チベット系のアジア人の他、インド系の人種で構成されている。が、ここにいるインド系もインドに住むインド人とはかなり違うし、インドに対して良い感情を持っていない人も多い。
インド、ネパールとも言葉はほとんど同じであるが、お互いに実はそこまで親しくないのである。
そんなネパールであるが、首都カトマンズの空港に初めて降り立った時、なんとも言えない安心感を感じられたものである。
だいたい日本から海外に行くと、どこの空港であれ少し緊張感を感じさせられるものだが、珍しくそれが感じられなかった。
空港内のsimショップで当たり前の様にちょっと多めにお金を掠め取られる。
空港を出ると当たり前の様に、ぼったくりタクシー野郎が待ち構えている。が、なんだか嫌な感じでは無かった。
空港から市街地まで1時間以上かかる道を歩いて行こうか否か、ぶらぶら考えていると明らかに怪しいおじいちゃんが話し掛けて来て、街までバスで一緒について行ってあげる、と。
大して悪そうな雰囲気もないので、話にのるとしっかり送ってくれてびっくりした。
ただ、ついでに旅行会社には無理矢理連れて行かれたが、そんなに悪い気はしなかった。成功すればキックバックがあるのだろうな、なんて思いつつもむしろ良い人な印象があった。
そんな感じで、カトマンズの街中に着いた。
ごちゃごちゃしていて、砂埃があちこち舞っていてバイクも多く空気は綺麗ではない。
が、そんなに嫌いではない。
いやむしろ良い。ホテルをいくつか泊まったが、大して良い宿でもないにも関わらず、非常にスタッフが熱心だった事に驚かされた。
ああ、日本の他にこんな国があったのかと。
外国といえば、基本的には金出してナンボである。
サービスが欲しければ金を出せと言わんばかりに、適当にこなすか、それを目的に売り込んでくるか、どっちかである。
これには感銘を受けた。
そして、やっぱり顔が似ているだけで、なんとなく安心感を感じてしまうものである。
街と人の雰囲気に嬉しい驚きと感動を覚えつつ、しばらく街歩きをした後、ネパール第二の街ポカラに向かう。
何にせよ、世界最高峰ヒマラヤを抱えるネパールにおいて、最大の見所は街ではない。
写真はクマリという神聖ななにかを写したポスターである。